心理カウンセラー 炭屋由美子

「自分と向き合う」その本当の意味

毎日の生活の中で、自分が今、何を感じているだろう?と自分の内側に意識を持って行ったことがありますか?

現代の人はとかく忙しい日々を過ごしています。特に都会に行けば行くほど、街は見渡す限りビルに囲まれ、夜遅くまで明かりが消えることはありません。

その中で人々は忙しげに歩きエネルギーに満ち溢れています。誰もが先へ先へと向かっています。

そんなに急いでどこに行くんだろう?

ある日急に立ち止まり、自分はどこに向かっているのだろう?何がしたかったんだろう??と、心が迷子になったことはありませんか?

そんな時は、あなたの内側からのメッセージかもしれません。

もう走りすぎだよ~いっぱいいっぱいだよ~少し休みたいよ~

そんな内側からのメッセージを無視して頑張った時に、病気になったり、鬱になったりするのではないでしょうか?

 

病気は身体からのメッセージだと言われています。

 

身体を酷使していませんでしたか?朝起きると身体が重いとか、だるいとか、熱があるとか喉が痛いとか、身体は何らかのメッセージしていませんでしたか?

 

私たちはいつも外側に意識を向け、思考や理性で人生のエンジンを回してきました。

豊かさを求めて機械化され整備され便利になりました。

生活水準のクオリティーを上げることが、幸せに繋がると信じてきました。

私たちは今生活環境の整ったところで、清潔で便利な生活ができるようになりました。

 

私たちは、みんな幸せになったでしょうか?

今幸せの意味が問われている時代だと思います。

私は、私らしく一日一日を過ごしているだろうか?

そのように自分と向き合うことをしているだろうか?

ふと立ち止まり、今胸の内がざわざわする。

これは何だろう?このざわざわは何だろう?

と自分の感情に気づくことから始まります。

わからなくてもいいんです。

 

自分の内側に気づくということが大事です。

 

その感情に気づいたら、あ~そうなんだ、そう感じているんだね、とただそう思うだけでいいのです。

感情には良いも悪いもありません。

 

その感情が出てきたら、なくそうとか思わなくてもいいのです。

 

そうやって自分の内側に意識を向けること、それが「自分と向き合う」ということじゃないでしょうか?

 

あ~この人のこと苦手、って思っているんだー私(俺)

 

あ~今自分が軽く見られたって思っているんだー私(俺)

 

とかただそう思っているんだーと自分の感情に気づいていくこと、いい悪いはつけないで、これが大事です。

 

自分の感情に気づいていけるようになると、自分のパターンやこう言われるとこう反応するということが、だんだんわかってくるようになります。

自分の思考のくせやパターンに気づくこと、次に大事なことです。

 

感情の反応は、人間関係に関する反応が大半だと言われます。

 

人生の問題と言われるものには三つの領域があります。

 

①自分の領域;自分の感じ方、考え方、価値観、性格、反応

 

②他人の領域;相手の感じ方、考え方、価値観、性格、反応

 

③神の領域;人の生き死にや、自然災害など人間がコントロールできないもの

 

人が取り込むことができるのは自分の領域だけです。

 

どうですか?自分ではどうしようもない相手の領域であくせくしたり、悩んだりしていませんでしたか?

 

私はこの三つの領域のことを学んだ時に、大きな衝撃をうけました。

いつも相手の領域、特に家族に対して、夫や成人した子供のことに対して、自分ごととして接してきました。

そうすることが良い妻良い母だと信じていたのです。

相手の悩み事を自分ごととして悩み、心奪われていました。

 

そう、いつも他人軸で生きていたのです。

 

自分がどうしたいのかという自分の心を置き去りにして、相手のことばかりに思い巡らしていました。

挙句に私がこんなに心砕いているのにどうしてわかってくれないの、と責める事までしていました。

それがこの三つの領域があることを知った時、他人軸人生をしていたことに気がついたのです。

 

自分軸を取り戻した時、子供が悩んでいる姿を見て、そういう体験をして成長していくんだなあという気持ちで見守ることができるようになりました。

人は悩んで成長していくものだから、本人が体験することが大事なプロセスであるということがわかってきたのです。

自分と向き合って本当の自分の感じ方、考え方、価値観を認識すること、自分の感覚を大事にすること。

 

それが、ありのままの自分を受け入れることにつながっていくのだろうと思います。