心理カウンセラー 炭屋由美子

新しい扉が開く時 今ここという意識


自分が見ているこの世界は、自分の中にある世界を投影して見ている。

自分の中にないものは見えない。

人間の顕在意識(自分が意識できるもの)は全体の5%であり残りの95%は潜在意識(意識できてないもの、無意識領域)だと言われています。

ということは、私たちは、これが世界だと意識して思考して生きているのはたったの5%だということになります。

残りは見えない無意識の領域で、自分ではわからない世界ですが、確かに私の中にある領域です。

こう考えた時、5%の意識の中で私はこうなりたい、あーなりたいと、色々挑戦しても潜在意識の中から、〜〜すべきだ!とか、〜〜あらねばならない!とか思い込んでいるものがあるとすれば、前に進みたくても躊躇する自分がいたり、なんやかやとできない理由が出てきたりで、なりたい自分と進めない自分が交錯することになります。

そんな経験はありませんか?

潜在意識は目には見えませんが私の中に確かに存在するのです。

それも全体の95%の割合だと言われるので、私たちは、ほとんど、自分の中の無意識領域を意識しないまま過ごしていることになるのです。

心理学を深めていくほどに潜在意識の深さを学んでいくことで、それがどれほど壮大で深遠な世界であるかと想像するに、あまりに膨大であるがゆえに、自分の中の宇宙と言われる所以だと思うのです。

それほど私たちの潜在意識は深く神々しいものだと思われます。

現代人は圧倒的に思考や理性が優先で生きています。

理性こそ人間の生きる上で最も正しく信頼できるものだ、という生き方で、生存競争に勝ち抜いてきました。

それをずっと信じてきました。

役割や世間の常識は当たり前で売り上げや成果を生み出すことが唯一重要事項と働き詰めてきました。

自分の外側にばかり目を向けて、自分の内側を観ることを眼中になかったのです。

それがここ近年では、自分の生き方がこのままでいいのか?とかいう声がやたらと、聞こえ始めてきたように思われるのです。

社会構造の中の様々な制限や縛りの中で、自分の心が本当に望んでいるのは、なんだろう?本当の幸せとはなんだろう?と目覚める声があちこちから聞こえ始めました。

それは私の95%をしめる私の内側からの声ではないのでしょうか?

今、様々な制限や縛りやとらわれが自分の無意識の領域の中に埋め込まれているとしたら、その思考のプログラムを外すことが自由になれるポイントということになるでしょう。

その無意識の領域、つまり潜在意識にアクセスする方法として、身体に聞くことが近道だとされています。自分の身体の声を聞くというのは、瞑想(マインドフルネス)をして、心を静かに整えて身体の感覚に耳を澄ます。

心を整えるとは特に頭の中の様々なノイズを緩める事とも言われています。

これを普段の生活の中に、数分間でも取り入れて自分の内側を静かに観るのです。

そして、心のざわざわが現れた時、自分の心を俯瞰して観る。

この習慣を取り入れることで、自分の思いグセや、パターンに気づくことができるようになるのです。

カウンセリングではそういうサポートをしています。

私たちの思考はいつも過去を悔やみ、まだ来ぬ未来を憂い、心は過去と未来を行き来してばかりです。

過ぎ去った過去を悔やんでも時間が戻ることはできないし、まだ来ない未来を心配してもしょうのないことです。

過ぎ去った過去の解釈を探求することもできますが、それはまた別の場所で書きたいと思います。

それよりもいつでも、「今ここ」を無心に生きることではないでしょうか?

それに気づくことが新しい扉を開く鍵になると思います。