心理カウンセラー 炭屋由美子

「見たくない自分」との関わり方とは?

人は誰でも見たくない自分、隠したくなるような自分というのを持っています。

見たくない自分、それは、過去の辛い経験 傷ついたことを、意識に上がらないように、感じないようにしてきた、あの時の自分に蓋をしてきました。

しかし蓋をして抑圧されたその感情はどうなるのでしょう?

自分では見ないことにしてきた、蓋の奥のそれは、私たちの潜在意識の底でシャドウとして息ついています。

無いことにしたからといって、本当になくなるものではないのです。

ないことにしたものは、形を変えて、別のところで爆発したり、ねじれて現れたりします。

潜在意識の中に蓄積されたシャドウ(ネガティブな感情たち)が、日常の中に投影されて私たちの前に出てきて、生き辛くさせている現象。

ないことにされたシャドウは私たちに自らの弱さを無視し、それらを他者に投影するよう命じます。

大切なのは、これが無意識による防御であることに気づくことです。

つまり投影とは自分の弱さを見たくないための防御だったのです。

周囲の誰かを非難している間、自分自身の弱さを見なくてもいい。

つまり「あの人が嫌い、ダメと非難ジャッジする」ことは、「自分のシャドウ、すなわちこんな自分は嫌だ、ダメと思っていることの映し絵」であり、ないことにされて苦しんでいる自分の一部であることを教えてくれるサインなのです。

なかったことにしていた古い傷を見なくてもいい・・最善の策なのです。

 

他人へのジャッジとは、自分へのジャッジであり、自分に許してないことを他人がしているから気に触るのです。

 

日常の中に出てくる投影と対峙して見極めるために、どうしたらいいのだろう。

今、こういう感情が現れた時、自分が見たくない感情なんだ・・とか、つまりシャドウが働いているんだ・・とか。

このように真の内面と向かい合うのを避けるために、投影をしてしまっている。

ということを見ていくことが大事なことだと思います。

 

そのためには、日常出てきた感情を、今、怒りという感情が出てきたとき、私が今、本当に感じているのは、どんな感情だろう?と自問し続けることが大事だろうと思うのです。

 

自問しない限り、内面に隠された感情を知ることはできないのだと思います。

 

日常に中に出てくる現象を、これは投影なんだと気付けること、その感情をちゃんと感じて、見極めて、受け入れる。

あ~あるなあと気づいて、その感情と折り合いをつける・・ただ受け入れる。

 

それが大事なんだと思います。

その種の感情と折り合いをつければ、否定的な感情を肯定的な感情に変えることができるのだと思います。

これが日常的にできるようになると、自分を信じる力がついてきて、心のあり方も変わってくるでしょう。